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横浜地方裁判所 昭和44年(わ)264号 判決 1969年9月25日

本籍

和歌山県田辺市湊五二三番地

住居

横須賀市本町三丁目一八番地

会社役員

廣井良夫

昭和三年二月九日生

主文

被告人を懲役八月及び罰金三〇〇万円に処する。

裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

右罰金を完納することができないときは金一万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

起訴状記載の公訴事実を引用する。

適条

所得税法第一二〇条第一項第三号、第二三八条第二項。

刑法第四五条前段、第四七条、第一〇条。刑法第二五条。刑法第四八条。

刑法第一八条。

裁判所書記官 太田武利

(裁判官 大平要)

起訴状

左記被告事計につき公訴を提起する。

昭和四四年三月一三日

横浜地方検察庁

検察官検事 木村仁一郎

横浜地方裁判所殿

本籍 和歌山県田辺市湊五二三番地

住居 横須賀市本町三丁目一八番地

会社役員

廣井良夫

昭和三年二月九日生

公訴事実

被告人は、昭和三二年ころから横須賀市内において外人バー、キヤバレー等の営業を始め、昭和三四年一〇月ころには同市本町一丁目九番地において実妹廣井和子名義で外人バー「ニユーダイジヨウビ」を、昭和三六年一二月には同市本町一丁目一〇番地において同女名義で外人バー「チヤンピオン」を、昭和三八年一〇月には同市本町三丁目一八番地において自己名義で外人キヤバレー「ニユーヨコスカ」を、そのころ前記「チヤンピオン」の階上において知人安富寿美子名義で美容院「本町美容院」(昭和四一年一月に名称を「リザ美容院」に変更、同年六月廃業)を、昭和四〇年四月には、同市若松町三丁目九番地において従業員関谷大輔名義で日本人向けバー「エリカ」(同年九月廃業)を、昭和四一年二月には同市本町二丁目一五番地において自己名義で外人バー「クラブヨコスカ」を、昭和四二年一月には前記「チヤンピオン」の階上(前記美容院跡)において従業員今井イミ子名義で外人バー「クラブアメリカ」をそれぞれ経営するに至つたものであるが、所得税を免れようと企て、売上金の一部を除外し、これを架空名義等の預金口座に入金し或は他人名義で不動産を取得する等の不正行為によ、所得を秘匿したうえ

第一、昭和四〇年分の実際の総所得金額は九、一〇七、五四二円で、これに対する所得税額は三、六三八、〇〇〇円であつたのに昭和四一年三月一五日所轄の同市上町三丁目一番地所在の横須賀税務署において、松浦誠を介し、同署長に対し、右四〇年分の総所得金額は二、〇三五、一七三円で、これに対する所得税額は四四〇、六六〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて前記昭和四〇年分正規の所得税額三、六三八、〇〇〇円と右申告税額四四〇、六六〇円との差額三、一九七、三〇〇(一〇〇円未満切捨)をほ脱し、

第二、昭和四一年分の実際の総所得金額は二三、〇二三、一七一円で、これに対する所得税額は一一、三一八、五〇〇円であつたのに昭和四二年三月一五日前記横須賀税務署において、前記松浦誠を介し、同署長に対し、右四一年分の総所得金額は五、五〇〇、〇〇〇円で、これに対する所得税額は一、七三七、六九〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて前記昭和四一年分の正規の所得税額一一、三一八、五〇〇円と右申告税額一、七三七、六九〇円との差額九、五八〇、八〇〇円(一〇〇円未満切捨)をほ脱し、

第三、昭和四二年分の実際の総所得金額は三一、二二〇、一〇五円で、これに対する所得税額は一六、二六五六〇〇円であつたのに昭和四三年三月一五日前記横須賀税務署において、前記松浦誠を介し、同署長に対し、右四二年分の総所得金額は五、四〇〇、〇〇〇円でこれに対する所得税額は一、七三二、二〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて前記昭和四二年分の正規の所得税額一六、二六五、六〇〇円と右申告税額一、七三二、二〇〇円との差額一四、五三三、四〇〇円をほ脱し

たものである。

罪名および罰条

所得税法違反 同法第二三八条

昭和四四年九月二五日

横浜地方裁判所第五刑事部六係

裁判官 大平要

検察官 上野勝

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